2016年12月10日(土)、浦尻公会堂にて、「歴史の街~浦尻貝塚から始まる新しい交流会~」と題した、浦尻婦人会主催の郷土料理おもてなし企画を開催しました。
そこで、小高復興デザインセンターでこれまで進めてきた調査の中間報告も合わせて行いました。
当日は、行政区長さん、浦尻婦人会のみなさまをはじめとした浦尻の方々や、日本大学建築研究会や慶應義塾大学の学生、市文化財課の方々…と、幅広い年齢層の計40名程度の方にお集まりいただき、和気あいあいとした雰囲気で会が始まりました。
はじめに、行政区長さん・浦尻婦人会の方々からのご挨拶の後、東京大学の窪田教授の挨拶、日本大学建築研究会による浦尻地形模型のお披露目・説明がありました。
その後、我々からもこれまでの調査報告をさせていただきました。
これまでの調査としては、行政区長様へのインタビュー(数回)、8月には漁業関係者3名(試験操業中)、農家の方4名(実証栽培をしている人を含む)、浦尻出身の方8名へのインタビュー、11月には現地踏査を実施してきました。それを踏まえて、下記の構成でパネルをまとめました。
0. 浦尻の復興に向けて
…今回の報告の趣旨、今後の方向性
1〜2. 浦尻の読み解き
…浦尻のあゆみ年表、浦尻の地形模式図、震災前の土地利用、浦尻のくらし、浦尻の生業、伝統芸能・文化財
3〜4. 浦尻の現況、浦尻の資源
…災害廃棄物仮置場、災害危険区域、災害防災林・防潮堤、ドローンの滑走路(浪江町)、浦尻貝塚、家々の庭、海の見える丘、神社、浦尻公会堂、共同墓地
5〜6. 浦尻の現況
…現地調査結果と写真を地図上に落とし込み(畑、改築・解体状況、イグネ、荒廃地等)
7. 浦尻の未来に向けて
…「浦尻のいいところは何ですか?」、「浦尻でどんなことがしたいですか?」に対するご意見の自由書込み
※パネルと模型は、浦尻公会堂に置いていただいております。浦尻公会堂へお越しの際にご覧いただけますと幸いです。
開会を終え、浦尻婦人会のみなさまを中心に、早速料理に取りかかります。
震災前からよく作っていたという「焼肉のタレ」を使った焼肉・焼鳥に加え、豚汁をふるまっていただき、参加者全員でご馳走になりました。
ここでしか食べられない伝統の味は、ぜひ今後も伝え続けていってほしいです。
交流会に参加してくださった方との懇談の中で、様々なご意見をいただきましたので、少しご紹介します。
浦尻の良いところとしては、「浦尻貝塚や高台等から見える海の景色」や「帰ってきて安心感を得られている」といったお声をいただきました。
今後の浦尻のあり方としては、「気軽に立ち寄れる場所やつどいの場」があると良いというご意見がありました。
我々も、お天気に恵まれた日の浦尻の風景にはいつもはっとさせられます。
また、調査をしていると、あちこちで手入れの行き届いた家々の畑・菜園を目にすることができ、とても勇気付けられました。
今回は、調査結果の提示にとどまりましたが、これまでの調査結果の共有を図ることができ、今後の方針を考える第一歩となったのではないかと思います。
次は、提案のたたき台を持って、浦尻のみなさまと意見交換をする機会をお願いできればと考えています。