第1回つながり部会を開催しました!

10月26日(水)に、「災害公営住宅の暮らし」をテーマに第1回つながり部会を開催しました!

今の小高の暮らしを支えている方や災害公営住宅の方、住民の方々を中心に、社会福祉協議会、行政の担当者、専門家などがみんなで話し合いました。

※小高復興デザインセンターでは、「まちなか」「生業」「つながり」「災害リスク」の各テーマごとに協働の場をつくり、復興を進めていきます。私たちはその協働の場を「部会」と呼んでいます。

 

つながり部会では、広く地域福祉や子供の環境、地域の足などのテーマを対象に、住民の方や地域のNPOなどが抱える課題について、社協や行政、適宜専門家も交えたオープンな話し合いの場を開催していきます。

第1回目は、つながり部会の趣旨をご説明した後に、各参加者から自己紹介と近況報告を、千葉大学・竹中工務店から「健康・まちづくり」をテーマに話題提供をいただき、センターで提案する「菜園プロジェクト」について話し合いました。

 

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 ▲ 参加者のみなさまから自己紹介・近況報告

 

1.各参加者の自己紹介及び近況報告

最初に、参加者のみなさまから、現在の活動内容や直面している課題、お考えのことをお話しいただき共有しました。例えば以下の論点を共有しました。

■小高のまちなかに建設された災害公営住宅の現状について

「今年の3月に鍵の受け渡しが行われたがなかなか入居が進まない」、「入居されている方もご高齢の方が多く生活上様々な問題を抱えている」、「管理人として総会など運営をしていきたいが、入居者の名前も住所もわからず困っている」、との話がありました。

■高齢者の状況について

「小高には高齢者が外に出て暮らせる環境や場所がなく、引きこもりがちになっている」、「高齢者が体を動かして交流できる仕掛けが必要」、との話がありました。

■送迎サービスについて

その他、仮設住宅における課題や送迎サービスに関する状況報告など、様々な話題をみなさまからお話いただきました。

 

2.健康・まちづくりについて

今回、特別にお越しいただいた千葉大学・竹中工務店の方から「健康・まちづくり」をテーマに、他地域での事例を中心に高齢者の健康につながる場づくりや、地元のシニアボランティアを中心とした運営システムについて話題提供いただき、会場全体で議論をしました。

 

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 ▲ 千葉大学・竹中工務店の方から話題提供と会場全体での議論

 

参加者からは、「集まる場ができても自分では行けない高齢者も多い」、「小高に帰還している高齢者の数も限られており、そのようなシステムが立ち上がるのか疑問」、「小高のボランティアは大半が市外や県外からだが、そういった方々から動きがつながって地元の若い方が動いていく状況になっていけばいい」、といったように、小高の現状と照らし合わせた意見が出ました。

 

3.菜園プロジェクトについて

センターでは、これまでに災害公営住宅の居住者のみなさまにお話をお伺いするなどの活動を行ってきました。その中で、気軽に土に触れたり、人と交流する場所や機会が重要だと考えました。そうした実態把握をふまえて、小高のまちなかの空き地で共同の菜園をつくる「菜園プロジェクト」を提案として説明したのち、実現性やその利用をサポートする仕組み等について、2班に分かれて話し合いました。

 

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 ▲ 「菜園プロジェクト」の提案

 

片方のテーブルでは、まず「高齢者が楽しい気分になれること」を目指すのがいいのではないかという意見が出されました。パークゴルフ等、「高齢者が外で遊べる場」が震災後なくなってしまったが、そういう場所があれば、子どもたちが通学するときにも「安心のポイント」になります。「和気あいあいとした雰囲気」が更に人を呼び寄せるでしょう。

 菜園プロジェクトについては、「農業のベテラン」がおり、「みんなが集まって住んでいるところ」で「家に畑がない人」がいるところではうまくいくかもしれません。「オープンガーデン」のようになれば、「来て観ているだけでも」楽しく、「集まるきっかけ」になるでしょう。見て学んで、自分の畑で実践する人もいそうです。隣で「パークゴルフやゲートボール」ができるようにしたり、できた野菜で収穫祭をしたりするとより盛り上がりそうです。

 送迎の必要性や告知の方法、中心となって進める人がいるかどうかが課題として挙がりました。コミュニティガーデン事業をしている他自治体の情報もいただきました。

 

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 ▲ 各テーブルの議論を全体で共有

 

 もう一つのテーブルでは、西部にお住まいだった方から、「放射能汚染の影響で、自分の農地での耕作が厳しくなってしまった現実があり、土がいじれる農地があったら高齢の親もやりたいと思うに違いない、ただ、そうした高齢の親の子供世代は農業をあきらめて他の仕事に就き、別の場所に住んでいる場合もあるので、本当に使えるように送迎なども一緒に考えてほしい」というご意見がありました。一つの実践を次につなげていくことが大事、という考え方も共有しました。

 また、こうした共同菜園に携わった経験をもつ方からは、「農業を営んできた方が、みんなの菜園を利用する場合は、それぞれの強いこだわりなどもあるので、うまく調整できる人の存在が重要」というご助言もありました。

 全般的には、部屋の中での活動だけではなく、外で気軽に野菜を育てる場所があれば、参加のハードルも低く、大変良いのではないかというご意見でした。

 こうした多様な角度からのご意見に基づいて、主体的にこうした菜園プロジェクトに関わりたい方がいらっしゃれば一緒に検討を進めていきたいと考えています。

 

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 ▲ 各テーブルでの議論の様子

 

 第2回まちなか部会は、12月中旬頃に開催予定です。

 参加者が様々なアイディアを出し合えるフラットな場にしたいと考えております。どうぞお気軽にご参加ください。